不思議な軟体動物の筋肉

筋力トレーニングで鍛える対象になるのは、基本的に骨格筋と呼ばれる筋肉です。

骨格筋は2つ(または3つ以上)の筋肉をつないでいて、姉妹サイト『インナーマッスル・トレーニング』『筋肉の基本的な性質』に書いたように2点の距離を縮める事によって関節の動きを生み出します。

骨格筋は素早く・強い収縮が可能ですが、関節の稼動範囲の限界値までしか力を発揮できない。
そして収縮の方向も限られているため、決まった以外の方向に関節を曲げたりする場合にはまた別の筋肉が必要になるという欠点も持っています。

たとえばヒジを曲げるだけなら上腕ニ頭筋だけの力でも可能ですが、伸ばすとなると反対の役割をする筋肉である上腕三頭筋が必要になるわけです。

しかし自然界には人体の常識からはおよそかけ離れた特殊な筋肉を持つ生物が存在します。

それはタコやイカ、貝などの軟体動物。

関節を持たないタコやイカは、脚(触手?)がそれこそ縦横無尽に動き、色々な方向に力を発揮する事ができる非常に不思議な存在です。

一応可能な限りの情報を仕入れようと思ってはみたのですが、タコやイカの筋肉の構造に興味を持つ人は多くない(当たり前の話ですが^^;)らしく、webや図書館などで調べても「タコの筋肉が超回復するか?」とか「イカの筋肉に遅筋や速筋という区別があるのか?」という事に関しては全く情報がありませんでした。(笑)

それでもその特性を理解すると「調理して食べる時には役に立ちそう」という事柄がいくつか分かりましたので、雑学知識として紹介したいと思います。

例えばタコの脚は、脊椎動物の肉(牛・豚・鶏など)のように筋繊維の方向が一定になっていないため、そのまま加熱して食べようとするとあらゆる方向に走った筋繊維がお互いに強く縮んで、ものすごく硬くなるということ。

タコを料理に使う時に叩いて柔らかくするという光景をよく見かけますが、あれは筋繊維をほどよく切断して、柔らかく食べるための工夫なわけです。
(そういえば、テレビではイタリアではタコ漁を行う漁師が、タコをコンクリートの地面に投げつけて柔らかくする、という壮絶な光景を見たことがあります。)

イカの場合も同様で、色々な方向にウネウネ動く足の部分に関しては加熱前に叩いておく事で、より柔らかく調理することが可能になります。

ただしイカの足以外の部分(頭?)の場合、筋繊維がきれいに揃った環状の構造をしているので、輪切りになるように包丁を入れないと(つまりは「イカめし」のように切らないと)逆に歯ごたえの無い料理になってしまうそうです。

タコやイカは高タンパク・低脂肪の食品なので、キッチンで大いにうんちくを語りながら肉体改造にお役立てください(笑)

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