
グリコーゲンとは?
運動と栄養の知識に触れたことのある人なら、グリコーゲンという物質の名前を聞いたことがあるでしょう。
次のページ「カーボローディングの原理と方法」ではグリコーゲンの摂り方について書いていますが、まずはこのグリコーゲンというのがそもそもどんな物質なのかということについて知っておいてください。
グリコーゲン=一時保存エネルギー
グリコーゲンは簡単に言うと、動物の体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質。
その分子は、いちばんエネルギーに変換されやすい栄養素である糖質(ブドウ糖)がたくさんつながった構造になっています。
必要な時にはこのグリコーゲンをどんどん分解して糖質を取り出すことができるので、グリコーゲンを内臓や筋肉に蓄えておくと、運動をする時にフルパワーで動けるというわけです。
グリコーゲン貯蔵量について
グリコーゲンは脂肪などにくらべると利用しやすい分、油断するとすぐ使われてなくなってしまうという欠点があります。
体脂肪が定期預金に入れたお金だとしたら、グリコーゲンは財布の中の現金のようなものです(笑)。
だから、たとえカーボローディングを行うような「試合本番!」というような状況でなかったとしても、体内での貯蔵量に多少は注意を払っておいたほうがいいでしょう。
グリコーゲンが足りない状態で筋力トレーニングやスポーツの練習をすると、力が出ずに実力を発揮できなくなるからです。
肝臓と筋肉のグリコーゲン
人体の中で主にグリコーゲンが蓄えられるのは、筋肉と肝臓です。
このうち、特にエネルギー切れに注意したいのが肝臓に蓄えられる肝グリコーゲンの方。
なぜかというと、たとえ筋肉のグリコーゲン(筋グリコーゲン)がたくさん残っていたとしても、肝グリコーゲンが空になると運動能力が大きく低下してしまうからです。
肝臓のグリコーゲンは血糖値をキープするために重要な物質なので、これが空になると命に関わります。
だから、人間の体は筋肉の状態に関わらず肝グリコーゲンがピンチになると、
「グリコーゲン足りない!運動ストップ!」
という指示を出すのです。
肝臓のグリコーゲン貯蔵量
肝臓のグリコーゲン貯蔵量は、エネルギー量にして300~400kcal程度。
これは満タンになっていても、約8時間くらいで空になってしまう量です。
なので、たとえ夕食をしっかり食べたとしても翌朝に肝グリコーゲンがほぼ無くなってしまいます。
特に強度の高いスポーツや筋力トレーニングなどを行う場合は、「朝食を抜いて朝からトレーニング」というようなスケジュールを組まないようにしましょう。
また、強度の高い運動を続けた場合、肝臓グリコーゲンが満タンから空になるまでの時間は1~2時間程度にまで短くなります。
グリコーゲン切れによる運動能力の低下を防ぐためには、運動中に栄養補給を行ったり、次のページで解説するカーボローディングによって筋肉内のグリコーゲンを増やして肝グリコーゲンの消費を少なくする必要があるわけです。
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