BMIの本当の意味とは?

太っている、あるいは痩せている度合いを判断する目安としてよく使われるのがBMIという指標です。

BMIが一定の基準内に収まっていると「成人病にかかる危険が低い」と判断されて、生命保険が割引になったりもするので、もはや社会的には体型を判断する一つの基準になりつつある数字だと言えます。

しかし、BMIという数値は個人の体型・健康を管理する上では、欠点もあるということを知っておいて下さい。

BMIの計算方法を確認

ここでBMIの計算方法をもう一度おさらいしてみましょう。

「ダイエットが本当に必要?」のページにも書きましたが、BMIというのは身長と体重という2つの数値だけを使って算出するものです。

BMI=体重kg/(身長m)の2乗

標準値は22で、これが18.5以下だとやせ気味、25を超えると肥満というふうに一定の基準に従って判定します。

体脂肪率がどうとか、筋肉がどれくらい付いているかとか、ウエストが何cmかというようなことは全く考慮されていません。

もちろんBMIが17のマッチョマンとか、BMIが30のスレンダーボディなんていうのはどう考えても現実離れしていますから、大ざっぱな判定としては意味があるでしょう。

仮にBMIが20程度の人が「ダイエットしたい」と思っているとしたら、体重を減らす方向にではなく、体型を変えるための運動などを中心に進めていくべきだという判断ができるからです。

しかし、健康で引き締まった体でも筋肉の割合が高ければ、体重の増加によってBMIは高く出ますし、逆に運動不足で締まりのない体でも体重さえ軽ければ、当然BMIは低くなります。

だから個人の健康や体型を管理する上で、BMIだけでは不十分だという事を知っておいてください。

統計値として便利なBMI

BMIという指標が本当に威力を発揮するのは、人間の体型を統計値で判断する場合です。

例えば、保険会社が成人病のリスクを計算する場合を考えてみましょう。

BMIと統計値

BMIが標準の人10000人と、ちょっと高めの人10000人を比較したときに、成人病にかかる確率は、
BMIがちょっと高めの人 > BMIが標準の人
というデータが得られたとします。

そうしたら保険会社はそのデータを目安に、BMIが標準の人の保険料を低めにして、高めの人の保険料を高めに設定すればいいでしょう。

もしかしたらBMIが高めの人にも筋肉質で健康な人がいたり、BMIが標準の人で不健康な食生活を送っている人がいるかもしれませんが、それは全体の割合から見れば一部だからです。

極端に言ってしまえば、保険会社にとって契約者全体のリスクを計算して利益が出ればOK。一人一人の健康状態は二の次でいいわけです。

だから
「私はBMIが22だから太っていない」
とか、
「俺はBMIが23だから痩せなくちゃいけない」
というように判断することはあまり合理的な考え方ではないと思います。

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