
筋トレとミニマックス法1
物事を効率的に進めるには合理的な判断が必要不可欠です。
そして、筋力トレーニングを進める上で、「こんな時はどうするべきだろうか?」と迷うことはよくあるでしょう。
そこで、いわゆる「ゲーム理論」の一つであるミニマックス法を筋力トレーニングに応用して、「効率的にトレーニングを進めるためにはどのような考え方をすべきか?」ということについて考えてみました。
ミニマックス法とは?
ミニマックス法というのは、ごく簡単に言うと「自分にとって最もリスクのある選択をしない」という安全第一の戦略を取る方法です。
たとえば将棋で、次の自分の戦略によって
・次の一手で「王」を取られる可能性がある
・次の一手で「歩」を取られる可能性がある
というの2つの選択肢があれば、後者を選ぶのが当然でしょう。
だからコンピュータに将棋やオセロ、チェスなどをさせるのであれば、電子頭脳があらゆる戦略のパターンを想定させて、最もリスクの少ない選択をさせるというのが基本的な考え方となります。
さすがにゲーム終了までの全ての局面を計算するのは無理だと思いますが、処理できる範囲で完全に合理的な戦略を取るようにすれば、少なくとも素人ならまず歯が立たないくらい強力なプログラムが出来上がることでしょう。
筋力トレーニングへの応用
ゲームと違って現実の生活では、未来に起こることのパターンが多いのでミニマックス法を使うのは難しいと思うかもしれません。
しかし、評価の基準を一定にして「リスクの大きさ」をシンプルに考えれば、色々な判断に対して応用が可能になるはずです。
具体例を挙げてみましょう。
体の不調と筋トレ
熱心なトレーニーはちょっと風邪気味だとか、関節に痛みがある場合などに「さて、今日はトレーニングすべきか・・・?」と迷うことでしょう。
そこで、まずは「トレーニングすることのリスク」と「トレーニングを休むことのリスク」の2つを評価してみることにします。
トレーニングすることのリスクは、やはり体調の悪化です。
風邪なら体の疲労が増せば熱を出して寝込む可能性がありますし、関節の痛みも悪化すれば長期休養が必要になるかも知れないと考えられます。
そうなれば、体が回復して元の筋力が発揮できるようになるまでには、少なくとも1~2週間くらいはかかるでしょう。
次に「トレーニングしないことのリスク」ですが、これは筋肉が鈍ってしまうとか、トレーニング日程が崩れてしまうという事になるかと思います。
しかし、理論的に考えれば1回トレーニングを休んだくらいで筋力が落ちることはまずありません。
また、トレーニング日程についても、体調が悪くて休んだ日を無視して次の予定日からスケジュール通り行えば、数日で元のサイクルを取り戻すことが出来るでしょう。
仮に分割法でトレーニングしていて、特定の部位だけトレーニングできなかったとしても、長期的に見ればその影響は小さなものです。
よって体調が悪いときのリスクの大きさは、
トレーニングする>トレーニングしない
となり、ミニマックス法に則って合理的に考えれば、少なくとも「どうしようか?」と悩むような状況では常に休むことが正しいということになります。
次回は筋力トレーニングにミニマックス法の考え方を応用する例について、別の具体例についても考えてみましょう。
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