伸張性収縮で筋肥大

前回のポジティブ・エクササイズに続いて、今回は伸張性収縮(エキセントリック収縮)についての情報とトレーニング方法への応用についてまとめてみましょう。

伸張性収縮をおさらい

伸張性収縮は短縮性収縮と逆で、筋肉が伸びながら筋力を発揮している時の筋収縮の状態を言います。

例えばダンベルカールなら、ダンベルは持ち上げる時だけでなく下ろす時にも筋肉には力を入れておく必要があります。

重力に逆らわない動きのため動作は比較的楽ですがダンベルを「落下」させないために筋肉は伸張性収縮でブレーキをかけてやる必要があるわけです。

短縮性収縮の動作では、筋肉の力が重力に対してのブレーキとして働きます

言葉で表現するなら、伸張性収縮=筋肉が重さに抵抗している時の筋収縮という感じになるでしょうか。

伸張性収縮によって得られる効果

筋トレの動作の中で、伸張性収縮によって得られる効果の長所や短所についてまとめてみましょう。

伸張性収縮の長所

伸張性収縮では、ダンベルなどのウェイトを重力に逆らわない方向に動かす事になるので、比較的重い重量を扱う事が可能になります。

多くの場合、「ゆっくり下ろす事ができる重さ」というのは「持ち上げられる重さ」よりも20%くらい上になるでしょう。

そして伸張性収縮の一番の長所は、何と言っても筋肉に大きな刺激とダメージを与えることができるということです。

もちろん筋力トレーニングの目的は筋肉を痛めつけることではありません。
しかし、正しい方法で筋肉に与えたダメージは筋肥大、つまり筋肉を太くする刺激になります。

このためボディビルダーや筋肉で体を大きくする事が求められるパワー系のアスリートは、伸張性収縮を重視した筋力トレーニングを行っています。

伸張性収縮の短所

伸張性収縮を重点的に行うと、筋繊維のダメージによって筋肉痛が強く出るという性質があります。

痛みやダメージが大きければ回復時間も長く必要になるので、オーバートレーニングにならないように注意して行う必要があるでしょう。

また、筋肥大に重点を置きすぎると、筋肉の太さの割に発揮できる筋力が小さくなってしまう可能性があるので、短縮性収縮とのバランスを取って行うことが大切です。

具体的な筋トレ方法は?

それでは、伸張性収縮の効果を実際の筋力トレーニングに応用するための具体的な方法をいくつか紹介しておきましょう。

伸張性収縮に時間をかける

伸張性収縮を筋力トレーニングの中心とするための最も簡単な方法はウェイトを下ろす時、つまり筋肉が伸張性収縮する動作に時間をかけることです。

ダンベルカールなら、ヒジを曲げてダンベルを持ち上げる時よりも、ダンベルを下ろす動作にかける時間を長めに取るのです。

伸張性収縮にかける時間を長くする

ゆっくり行うことで正しいフォームも身に付きやすくなるので、是非筋トレに取り入れてみてください。

パートナーに協力してもらう

これは一人では出来ないのですが、筋トレの動作でウェイトを下ろす時にだけ他人の協力で負荷を高くするのも有効な方法です。

例えば、腕立て伏せならヒジを曲げて「伏せる」時にだけ上からグッと押してもらい、体を起こすときは手を離してもらうわけです。

そうすることで、伸張性収縮を行っている間の負荷が増し、筋肉により強い刺激を与える事ができます。

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