片手懸垂の意味は?

筋力を一生懸命に鍛えていると、リンゴを握りつぶすとか片手で腕立て伏せをするとか、他人にアピールできるような芸当を身に付けたいと思うのが人情と言うものです。

今回は、そんな芸当の中から「片手懸垂」なるものについての情報をまとめてみたいと思います。

片手懸垂の定義

さて、まずは片手懸垂とはどのようなものを指すのか?ということについて考えてみましょう。

研究所長が調査した限り、
「俺は片手懸垂ができるぜっ!」
という人のほとんどは、片方の手で鉄棒などをつかみ、空いている方の手は鉄棒をつかんでいる腕をつかんだ状態(ややこしい・・・^^;)で自分の体を引き上げているようです。

しかし、これでは片手でバーを握っていると言うだけで、片手だけで懸垂を行っているという事にはなりません。

結局のところ自分の腕をつかんでいる方の腕や背中の筋力も使って体を引き上げているわけですから、両腕を使った懸垂であることに変わりはないのです。

両腕の力で体を引き上げているのなら、完全に片手で懸垂を行っていることにはなりません

極端に言うと、片足だけで体重計に乗って
「片方だけなのに半分にならない!スゴイ!」
と言っているようなものです。

もちろん握力への負担などが増しますから、普通の懸垂よりもややハードにはなると思います。
ですが、少なくとも本来の懸垂に使う背中・腕の筋力をアピールする意味は無いと言えるでしょう。

本当の片手懸垂とは、バーにつかまっていない方の手を腰などに当てた状態で、完全に片腕と片方の背中の筋力だけで体を引き上げるという技です。
そして、これをやり遂げるには並外れた筋力が必要になります。

片手懸垂に必要な筋力

それでは、本物の片手懸垂を行うにはどれくらいの筋力が必要なのでしょうか?

単純に考えると、両腕で行う時の約2倍の筋力が必要ということになるでしょう。
逆に考えると、少なくとも普通の懸垂が50%の力で出来なくてはならないわけです。

最大筋力と繰り返し回数の関係から大ざっぱに計算すると、片手懸垂を1回行うためには少なくとも普通の懸垂が30回程度できるくらいの筋力が必要であると考えられます。

ただし、低負荷・高回数の運動と高負荷・低回数の運動では使う筋肉が多少違うこと、片手で行うためにバランスが取りにくくなる事を考えると、ピッタリ2倍の数値よりはもう少し余裕が必要かもしれません。

片手懸垂

懸垂はもともとバランスのとりにくい筋トレ種目ですから、無理をして片手で行う事はあまりオススメしません。

片手だけでぶら下がっていると腕や肩への負担が大きくなって怪我の危険も増しますし、片側だけを練習したりすると筋力のアンバランスが生まれる原因にもなるからです。

それでも、「どうしても片手懸垂が出来るようになって自慢したい!」という方、クライミング系のスポーツなどを行っていて「片手で自分の体を引き上げる筋力が必要なんだ!」という方は、以下の方法で練習してみてください。

STEP1:両手懸垂を正確なフォームで30回出来るようにする

STEP2:両手で体を引き上げ、片手で下がる動作を練習する

STEP3:両手で体を引き上げ、次に片手で体をちょっとだけ下げたらまたすぐに上げる動作を練習する(体を完全に下げずに、限定された範囲だけで懸垂を行う)

STEP4:徐々に動作範囲を広げて、最終的に完全な片手懸垂に移行する

ただし、くれぐれも無理は禁物ですよ!

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