トレーニング方法と個人差の秘密

筋力トレーニングの経験を積んでくると、成長の壁にぶつかったり自分自身の目的に合わせてトレーニング内容を工夫する必要が出てきます。

そうすると、トレーニング方法そのものについて色々と考えなくてはならないことが増えてくるでしょう。

そして色々な情報から自分自身のトレーニング方法を探っていく時は、トレーニングの方法と個人差の関係に惑わされないように注意してください。

個人差の影響はとても大きい

例えばトレーニングの量の事だけを考えてみても、人によって最適なレベルは大きく違います。

「筋力トレーニングのたびに歩けなくなるまで筋肉を追い込むんだ!」
という人がいれば、
「筋肉痛にならない程度にしておいた方が効率がいい」
という人もいます。

そして現在のところ、どちらが完全に正しいかという決着が付いているわけでもなく、しかも全く違うそれぞれの方法で、ちゃんと効果を上げている「成功者」が存在するのです。

人間にはそれぞれ大きな個人差があるため、同じ方法で全ての人が効果を上げることはできません

筋肉の回復速度や超回復の度合い、内臓の機能から精神的など、人間はあらゆる部分が個人個人でバラバラです。

だからこそ、Aさんが劇的に効果を上げた方法がBさんに有効であるとは限らない。

極端に言えばトレーニング量を半分にして効果が出る人もいれば、倍にしないと効果が出ない人もいるわけです。

これを認識しておかないと「雑誌に載っていた有名アスリートのトレーニング方をそのまま真似してみたが、どうも効果が出ない・・・」という罠に陥ることがあるので注意してください。

特殊な例に惑わされないよう注意

さらに恐ろしいのが、現在の科学から見ると明らかに間違っていような方法でも、効果を上げてしまう(あるいは、そう見える)人がいるという事実です。

例えば以前「体が水っぽいのが気になる」と言って、飲み水を厳しく制限するダイエットに挑戦している女性がTVで紹介されていました。

その女性は食事制限や運動も行っていたので、結果的にはきちんと痩せることが出来ていました。
しかしこれは、ダイエット方法としてはとても正しいとは言えません。

また、肉体改造とは直接関係ありませんが、「髪の毛を思いっきり引っ張る」という方法で毛根を鍛えて、老齢にもかかわらずフサフサの頭髪を保っている」と主張する男性がメディアで紹介されていたこともあります。

あたりまえですが脱毛治療の専門家は「普通の人がこんな事をすれば、まず間違いなく禿げてしまう」と断言していました。

科学的に考えれば、このような「特殊な例」は、たまたま特異体質に助けられることによってうまく行っているだけだと思います。
あるいは他の方法ならもっと効果があったが、体質的に間違った方法でもそれなりに成功できたのかもしれません。

どっちにしても、○○で成功した、というエピソードには、普通の人にはマネできない特殊な例が混ざっているということも忘れないでください。

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