クレアチンで狂牛病になる?その1

筋力や瞬発力を付けるためにトレーニングしているアスリートの中には、クレアチンを摂っている人も多いと思います。

しかし、クレアチンの原料は牛由来(牛を原料としている)なので、
「摂り続けたら狂牛病に感染する危険があるんじゃ・・・?」
と心配している人もいるようです。

そして実際に一部の文献などでは、
「感染の危険性を否定出来ない」
という書き方をされていることもあります。

この問題について、当研究所の見解を書いておきましょう。

そもそも狂牛病とは?

病気の危険について考える上では、その正体を知っておくことが重要なので、まずは狂牛病について簡単におさらいしておきましょう。

狂牛病(正式名称は牛海綿状脳症)が話題になり始めたのは1990年代。

イギリス政府がこの病気が、極めてまれに牛から人間にうつり、発病する可能性があると発表したのが一つのきっかけでした。

狂牛病は発病すると徐々に神経が侵されて死亡してしまう病気で、今のところ治療法は見つかっていません。

その後の色々な調査で、人が感染したのは狂牛病はにかかった牛を食べたことが原因らしいという話になりました。

牛肉

そして、以後は牛の検査を十分に行い、病気の牛を食料や、飼料(家畜のエサなど)にしないというルールが作られました。

それによって後感染者は減っていき、今ではほとんど感染する人はいなくなっています。

※参考データ(英語)→https://www.oie.int/index.php?id=504

なにが原因で感染するの?

何とか感染者の増大を食い止めることができた狂牛病ですが、実は本当の意味で「どうやって人に感染するのか?」というしくみは、今でも分かっていません。

一応、最も広く信じられているのは「プリオン」というタンパク質が怪しいという説ですが、これに反論する専門家や学説もあります。

プリオン

※参考記事(姉妹サイト)→病原性タンパク質

ごく簡単に言うと、
・感染の原因となったらしい牛の、感染の原因になりそうな部分を食べないようにしたら感染は起こらなくなった
・でも、それを食べても感染した人はごく一部で、どういうしくみで感染したかということはまだわからない

ということです。

と、ここまでの情報を踏まえて、この記事の続編では、いよいよクレアチンを摂ることと狂牛病のリスクの関係について詳しく書きたいと思います。

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