クレアチンで狂牛病になる?その2
前回の記事では、狂牛病が「プリオン」という特殊なタンパク質と関係しているらしいこと、そしてそのプリオンを含んでいると考えられる部位(脳や神経など)を食べないという対策によって、感染者の数を減らすことに成功していることなどについて書きました。
それでは、今市場で売られているクレアチンの原料に、プリオンが含まれている可能性はあるんでしょうか?
クレアチンの原料と狂牛病
一部の文献には、サプリメントのクレアチンは牛を原料としているので、それを摂取することによる狂牛病への感染が「否定出来ない」と書かれていたりします。
が、この「否定出来ない」というのはあくまでも「可能性がゼロではない」という意味で、実際にはまず心配いらないというのが当サイトの見解です。
その理由について、もう少し詳しく説明しましょう。
まず、そもそも現在は狂牛病を意識した検査が行われていて、感染の危険がある部位が食品や医薬品、サプリメントの原料に使われることはありません。
だからこそ、我々は輸入牛肉を普通に食べているわけです。
しかも、牛肉を食べる場合には牛の組織をほぼそのまま食べるのに対して、サプリメントの場合は不純物が取り除かれています。
クレアチンやその原料として使われているサルコシンという物質は、狂牛病の原因とされているプリオンの分子の数百分の一の大きさしかなく、成分を分ける上でプリオンとクレアチンが混ざる可能性は低いでしょう。
そこから考えると、余計なタンパク質が取り除かれているクレアチンのサプリメントは、少なくとも牛肉よりはるかに安全だと考えられます。
リスクの大きさとメリットのバランス
厳密に言うなら、牛の組織を原料としている限り、それをサプリメントとして飲んだ場合の感染リスクは「ゼロではない」のは事実です。
でも、ちょっと考えてみれば、この世の中にリスクがゼロのものなんてほぼ無いはずです。
輸入牛肉を食べながらクレアチンの心配をするのは、その辺の川の水をごくごく飲みながら、ミネラルウォーターの安全性を心配するようなものではないでしょうか。
実際には、それを使うことで得られるメリットと、リスクの大きさを総合的に考えて判断すべきだと思います。
それでも注意すべきなのは・・・
ただし、サプリメントとしてのクレアチンの「危険性が低い」というのは、それがきちんとしたルールに従って作られている場合の話です。
残念ながら、一部の国では今でも病気の動物が平気で加工されて食品や飼料として使われているという事実もあります。
なので、サプリメントを買う時は、少なくとも信用できる国・会社の物を選ぶようにしましょう。
(管理人へのご連絡は不要です)