お尻の筋肉の重要性を考える

スポーツジムなどで「体幹筋」として鍛えるべき部分が解説される場合、その部位は「胸・背中・腹・脚の筋肉」と表現される事がよくあります。

しかし、体幹筋を「体の中心部分を支えている大きな筋肉」と考えると、何か一つ足りないような気がしないでしょうか?

そうです。大殿筋を代表とする下半身の骨格と筋肉を支えているお尻の筋肉です。

お尻の筋肉は脚と一緒に鍛える?

体の中心、しかもバランスの要(かなめ)の位置にあり、大きな筋力で体を支えているお尻の筋肉は、間違いなく体幹筋に含まれるべきでしょう。

それではなぜ、体幹筋のメンバーリストから外されてしまうのでしょうか?

これは恐らく、スクワットやレッグプレスなど脚の筋肉を鍛えるための複合関節種目を行うことで、大殿筋などのお尻の筋肉も同時に鍛えられるからだと思います。

つまり「お尻を鍛えよう!」と特に意識しなくても、教科書通りにバランスの良い筋力トレーニングメニューさえ組めば「お尻の筋肉の鍛え忘れ」はまず発生しないだろうということです。

しかし、それでもお尻の筋肉はお尻の筋肉として、きちんとその役割と鍛える意味を知っておくべきだと思います。

筋力トレーニングと意識の問題

筋力トレーニングで効率良く効果を出すためには、目的の筋肉の位置や働きを理解した上で、その部分に意識を集中して運動することが大切です。

人間の心と体はお互いに影響し合っていますから、どこを鍛えているのか分からないまま動作を繰り返しても、鍛えたい場所にきちんと負荷をかける事ができない可能性が高くなります。

具体的に言うなら、胸の筋肉を鍛えるために腕立て伏せを行うにしても、「なぜか腕の筋肉ばかり疲れてしまう・・・という問題が起こりやすくなるわけです。

体幹筋としての重要性

「体幹筋」といっても、どんな役割をしているのか今ひとつピンと来ない・・・という場合は、「筋肉図説」の「大胸筋」や「広背筋」を見てみてください。

例えば腕で何かを動かしたり、腕自体を振ったりする場合、大きな力を発揮しているのは腕そのものの筋肉(上腕ニ頭筋や上腕三頭筋)ではなく、根元の部分を動かしている大胸筋や広背筋であることが分かると思います。

この考え方を、下半身の筋肉にも当てはめてみてください。

より大きな筋力を発揮する動作では、体の中心部に近い筋肉の働きが重要になります

例えば太ももにある大腿四頭筋は、人体の中でも非常に大きく、力の強い筋肉です。
しかしあくまでも脚そのものに付いている筋肉であって、脚を根元から動かしているわけではありません。

もちろん上半身と下半身では骨格の構造も違いますから、お尻の筋肉を胸や背中筋肉と同列に扱う事は出来ないかもしれません。

しかし、脚を根元から支え、動かしている筋肉である以上、お尻の筋肉は日常の動作においてもスポーツをする上でも重要な筋肉だと言えることは間違いないでしょう。

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