骨格の個人差と筋トレフォーム

筋力トレーニングのフォーム解説では、姿勢や関節の角度などを分かりやすく伝えるために、
「太ももの骨が床と並行になるように~」
とか、
「足は肩幅と同じくらいの広さに~」
というような表現をすることがよくあります。

しかし実際のところ、骨格・体格は一人一人違うもの。

場合によっては理想と言われているフォームを厳密に守るよりも、体格に合わせて微調整を行った方が、より自分に適したフォームを見つけられる可能性もあります。

骨格の個人差が影響すると考えられる例

それでは、どんな場合に骨格の個人差がトレーニングフォームに影響してくるかについてちょっと考えてみましょう。

例えば、太ももの骨が床と並行になるまでしゃがみ込むスクワット(パラレル・スクワット)の場合です。

スクワットでは肩にバーベルを担ぐわけですから、しゃがむ時には前後の重心を取る必要があります。
そしてこの重心は骨格によっても微妙に違うことになるはずです。

下の図を見てください。

スクワットと骨格

左側は、大腿骨(太ももの骨)が短い人で、右側が大腿骨が長い人を表しています。

単純にパラレルスクワットの条件である「太ももの骨が床と並行」ということだけを考えれば、大腿骨が長い人の方が重心が後ろに傾きやすくなるはずです。

もちろんそうなれば、自然にヒザの位置や上半身の傾きを調節してバランスを取るので、いきなり転んでしまったりすることは無いでしょう。

それでもフォームが変化すれば腰やヒザへの負荷のかかり方も変わってきますから、少なくとも大腿骨が短い人と全く同じだけの負荷にはならないと考えられます。

次に、ランジを行う場合です。

ランジとスタンスの幅

ランジで「足の幅を肩幅くらいにする」ことを目安とした場合、肩幅が広い人と肩幅が狭い人では、両足の幅も違う事になります。
そして、脚の付け根の位置(腰幅?)にも個人差があるでしょう。

もしも「腰の幅は広いけれど肩幅が狭い」という人がいたら、無理に脚の幅を肩幅に合わせようとするとアンバランスなフォームでトレーニングすることになってしまうかも知れません。

客観的なフォームの調整が大事

トレーニング雑誌やwebサイトなどで解説されている筋力トレーニングのフォームでは、残念ながら個人差にまで対応することは困難でしょう。

だからやっぱり最後は、自分に合ったフォームになるように微調整が必要になると思います。

ただし、単純に自己流で「やりやすいフォーム」を追求すると、正しいトレーニングフォームから外れてしまうことになりかねません。

特に「やりにくい!」と感じる種目に関しては、例えばジムのインストラクターにフォームをチェックをしてもらうなど、客観的な目を利用しながら調整していくのが理想です。

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