話題のサプリメントの効果は?
テレビ番組等で話題になっていて、すごく効果がありそうな食品やサプリメントを試してみたものの、
「あれ?思ったより効果がないな・・・」
なんて感じたことはありませんか?
「テレビ番組の実験ではあんなに効果が出ていたのに・・・(涙)。」
じつはこういう現象は特に珍しいものではありません。
なぜこういう事が起こるのかについてちょっと考えてみることにしましょう。
人によって必要な成分が違う
例えば、ビタミンやミネラルが不足している人がいたとしましょう。
ビタミンやミネラルの不足は代謝を悪くしたり、満腹感を感じにくくなったりという症状につながり、これが肥満の原因になります。
もしその人が不足している成分を豊富に含むサプリメントや食品をとり始めたとしたら、体調が急激に良くなったり代謝が改善されて体重が減ったりする可能性は十分あるでしょう。
しかし、ビタミンやミネラルは十分に足りているのに、運動不足が原因で太っている人の場合はどうでしょうか?
不足してもいない栄養を余分に補給したところで、根本的な要因が解決されない限り効果が出ないのは当然です。
このように、体が必要としているものは人によって違う場合があるので、同じものを補給したからといって同じような効果が得られるとは限らないわけです。
メディアとしての限界
一番はじめの部分で「テレビ番組の実験」を例に出しましたが、テレビや雑誌の体験レポートや実験には何人くらいの人が参加しているでしょうか?
そしてそのうち何人に効果が出ていたのでしょうか?
大くの場合、その人数は数人から10人くらいの事が多いのではないかと思います。
制作費や製作期間の都合上、どうしてもそれくらいの規模になってしまう事が多いでしょう。
しかし効果があるかどうかを本当に検証するには、TV番組の実験などでデータが少なすぎて全く話にならないのです。
例えば医薬品なんかだと、数十回の実験を何日も繰り返して、環境を統一して、精神的影響を考慮して、最後に統計的分析をして・・・とものすごい規模の実験を行います。
テレビ番組でこんな事を行なったら、予算オーバーになってしまうのは確実です。
限られた予算枠でどれだけ視聴者の人に楽しんでもらう番組を作るためには、内容を簡単にせざるを得ないのです。
しかも、
「やってはみたけど効果はよく分かりませんでした。あなたもダメ元でためしてみて下さい。」
では、番組として成り立ちません。
「効果があった」という部分を中心にできるだけ人目を引くように、興味を持ってもらえるように編集しなきゃならないわけです。
これを「悪どい」という人もいますが、もしも自分が視聴率によって自分の人生が決まるような仕事をしていたら、ほとんどの人は限界ギリギリまでそれを高める手段を選ぶはずです。
もちろん嘘の内容を放送したりするのは良くありませんが、視聴率が取れそうな部分やクローズアップして、逆に地味な部分は出来る限りカットして番組をつくるでしょう。
これは、ある程度仕方のないことだと思います。
ちょっと効果のありそうなものを上手な演出で見せられたりすると、全ての人に効果があるようなイメージを持ってしまいがちですが、
「同じくらい効果が出る場合もある。」
と判断するのが正しいと理解しましょう。
情報の内容をしっかり吟味して、自分の頭で考えてから利用する「賢い視聴者」にならないと、余計な労力とお金を使ってしまうことになりかねません。
(管理人へのご連絡は不要です)