慣性とスポーツと肉体改造
肉体改造とスポーツの関係を考える上で、作用・反作用の法則と同じくらい大切なのが、慣性の法則と呼ばれるものです。
特にパワーとスピードのバランスを考える上で必要な知識なので、スポーツのための肉体改造に取り組んでいる人にはぜひ一度読んでおいてもらえればと思います。
そもそも慣性の法則とは?
まずは「慣性の法則」というのがどんなものかについて解説しておきましょう。
「そんなの知ってるよ!」という人も多いかもしれませんが、出来るだけ基本の部分から解説するというのが当研究所のポリシーですので、どうかご勘弁ください。
さて、慣性の法則というのはごく簡単に言うと、物体はその運動状態を保とうとするという性質です。
言い換えれば、
・止まっているものは止まっている状態を保とうとする
・動いているものは動いている状態を保とうとする
ということになります。
車輪の付いた大きな台車に、たくさんの荷物を載せて運ぶときのことを想像してみてください。
止まっている台車を動かすには、はじめにかなり大きな力が必要になります。
これは台車を動かそうとした時に、「台車が止まっていようとする慣性の力」の抵抗を受けるためです。
逆に一度動き出すと、あまり力を入れなくても台車は前に進むでしょう。
その代わり、今度は「台車が動き続けようとする慣性の力」が発生するため、止める時に大きな力が必要になってきます。
慣性とスポーツとの関係
この慣性という性質は、物体のすべての運動に関わってくるもので、人間の体も例外ではありません。
スポーツというのは
・止まっている状態から素早く動く
・動いている状態から素早く止まる
という動作の連続と言えますから、その影響が小さくないということはすぐに想像できるでしょう。
「・・・で、運動に慣性が影響していることが分かったからって、それが何の役に立つの?」
と思ったでしょうか?
確かに、そういう力が存在することを「ただ知っている」だけでは雑学にしかなりません。
しかし、慣性の力がどんな特長を持っていて、どんな時にどれくらいの強さで働くかを理解しておくことは、スポーツのための体造りを考える上で重要なのです。
というわけで、次のページでは慣性の性質と運動への影響について、さらに詳しく解説していきたいと思います。
(管理人へのご連絡は不要です)