体脂肪計の正確性

最近は手ごろな価格の体重計にも、体脂肪率測定機能が付いているようになりました。

体脂肪の割合が数値でハッキリ表示されるわけですから、結果に一喜一憂している人も多い事でしょう。

さて、体脂肪計の表示する体脂肪率というのは、どれくらい正確なのでしょうか?

体脂肪計の原理

人間の体は筋肉の部分がタンパク質、体脂肪の部分が脂質で出来ていて、この二つの部分は電流の「流れやすさ」が違うという特長を持っています。

つまり、体に弱い電流を流してみて電気の伝わり方を調べれば、その人の体の中にどれ位割合で筋肉・体脂肪が含まれているかということが大ざっぱに分かるというわけです。

筋肉と体脂肪の電気抵抗の違いにより体脂肪率を測定することができます

体重計についている体脂肪率測定機能は手や足に触れる部分に電極がついていて、ここから体に電流を通す事で体脂肪率を計算しています。

どの程度正確に測れる?

上に書いたように電気抵抗(インピーダンス)式の体脂肪測定は体の一部分から電流を流す事で大ざっぱに筋肉と脂肪の割合を見るためのもので、体の内部構成を正確に把握できるわけではありません。

メーカーや機種の違いによって電気抵抗から体脂肪率を計算する方法に違いがあるため、体脂肪計を変えると数値が大きく違ったりすることもよくあります。

また、研究所長の経験では市販の体脂肪計は身長と体重の関係を重視しすぎる傾向にあるようです。

筋肉によって体重が重くなっている人の測定値では、より専門的な体脂肪測定の方法(比重法)との間で10%以上の誤差が出る事もありました。

ですが、メーカーの開発担当者の話では、同じ人が同じ機種で条件を整えて測定すれば、測定ごとの誤差は±2%程度に抑えられるそうです。

つまり何%だったか?という数値だけを問題にしたり、他人と比べたりするのではなく、いつも同じ条件で測ってその数字の減り方・増え方を見るというのが正しい体脂肪計の使い方だと言えるでしょう。

より正確に測るために

体脂肪計を使うときに出来るだけ誤差を小さくするためには、いくつかのポイントがあります。

素足・素手で測定する

当たり前の話ですが、手袋や靴下を付けていては電流がきちんと流れません。

測定する時は素足・素手で電極に触れるようにしましょう。
手足が汚れている場合はきれいに洗って、水分をよく拭きとっておく事も大切です。

食事・運動との関係に注意する

食事の直後や運動後・入浴後など、体の状態が普段と違う時に測定すると誤差が出やすくなります。

ただし、「毎日入浴後に体をよく拭いて測定する」というように統一するのであれば、それはそれで良いと思います。

脚同士、腕同士を接触させない

足で測定する時に両方のヒザや太もも同士をくっつけたり、手で測定する時に腕同士が触れ合うと電流の流れが変化するので、正確な数値が出にくくなります。

測定時の姿勢と電流の経路

体調を整えて測定する

体がむくんでいたり、風邪などで体調を崩している時にも誤差が大きくなる事があります。

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