褐色脂肪細胞とは
人間の体内には、褐色脂肪細胞という特殊な脂肪細胞があります。
「脂肪細胞」なんて何となくイメージの悪い名前を付けられてはいますが、実は太りにくい体質と深い関係があるのです。
褐色脂肪細胞の正体と、ダイエットへの利用法についてまとめてみましょう。
褐色脂肪細胞の正体
褐色脂肪細胞の正体は簡単に言うと「体熱発生装置」。
体の中でエネルギーを消費して体温を上げるヒーターのような役割を果たしている細胞です。
「リバウンドしないために」にも書いたとおり、人体には一定の状態を保とうとする恒常性という性質があります。
そして褐色脂肪細胞は、体温が下がり過ぎないように保つという働きをしているしくみの一つなのです。
さらに、食事によって体の中に栄養がたくさん入って来た時、褐色脂肪細胞が余分な栄養を熱に変換して放出することで、肥満を防止する効果があるとも言われています。
働き方に個人差がある
褐色脂肪細胞の働きは、筋肉の強さや骨格の太さと同じように、大きな個人差があります。
褐色脂肪細胞働きが活発な人は少しくらい余分に食べても、エネルギーを体熱に換えることで太りにくいという特長があります。
逆に働きが悪ければ、余分なエネルギーが体脂肪として体に残ってしまうために体が冷えやすく、さらに太りやすいというなんともありがたくない体質になってしまうわけです。
食べても食べても太らない、いわゆる「痩せの大食い」という体質の原因の一つは、褐色脂肪細胞の働きの差であると考えられています。
褐色脂肪細胞を活性化するには
褐色脂肪細胞の働きの強さには遺伝的な体質も大きく関わっていますが、訓練次第では細胞を活性化させて働きを強くすることも可能です。
人間の体はよく使われている部分ほど活性化し、使わない部分は鈍っていくという法則があります。
なので、方法としては褐色脂肪細胞に「体熱を発生させなきゃ!」と感じさせて、働く機会を与えてやるのが効果的です。
方法1:褐色脂肪細胞を直接冷やす
褐色脂肪細胞を活性化させるのに最も効果的と思われる方法は、ズバリ水泳です。
水の中で奪われていく体温を保つために、どんどん体温を上げる必要がありますから、大きな効果が期待できるでしょう。
プールに入れないという場合は、冷水のシャワーを浴びるだけでも一定の効果が期待できます。
褐色脂肪細胞は首の後ろや肩甲骨の間、わきの下などに集中しているので、この部分を水で冷やす事で刺激を与えるわけです。
ただし、いきなり冷水をかけたりすると心臓に大きな負担がかかりますので、温かいシャワーから徐々に慣らしていくようにしましょう。
具体的には温水(40℃程度)から→冷水(20℃程度)、そしてまた温水というようなサイクルで行うのが一般的な方法です。
方法2:温度センサーを刺激する
人体には温度センサーの役割をしている「小体」という組織があり、これを刺激するだけでも脳に「寒い」「温かい」と感じさせる事が出来ます。
特に手のひらなどには小体が密集していて神経も発達しているので、氷や保冷材などを手に持って刺激を与えることでも褐色脂肪細胞の活性化を促す事ができるでしょう。
ただし、あくまで刺激を与える事が目的ですので、長く冷やしすぎて凍傷にならないように注意して下さい。
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