体脂肪率を正確に測るには?
「体脂肪計の正確性」の記事では、一般的な体脂肪計で人間の体脂肪率を正確に測るのはなかなか困難である、ということについて書きました。
それなら他にどんな方法で体脂肪率を測る事ができるのか?
ちょっとマニアックになりますが、今回はインピーダンス式(一般的な電気抵抗式体脂肪計に使われている技術)以外の体脂肪率測定法について紹介してみたいと思います。
画像診断装置を用いる方法
いわゆるCTスキャンやMRIなど、特殊な波長の光線・磁力線を体に通す事によって断面映像を取得し、断面図の中の体脂肪の割合から体脂肪率を測定する方法です。
バラエティー番組などで太ったタレントさんのCT画像が紹介されたりするのを見たことがある人も多いと思います。
かなり正確に体脂肪率を計測することができますが、残念ながら保険のきかない状態でCTやMRIの検査を行うと相当なお金がかかるので、庶民にとってはあまり縁の無い方法と言えそうです。
キャリバー法
皮下脂肪をキャリバーという特殊な器具でつまんで、その厚さから全身の体脂肪率を測定する方法です。
インピーダンス式の体脂肪計が一般に普及するまでは、スポーツジム等で広く行われていました。
背中や腕の後(上腕三頭筋の部分)、腹部などの脂肪の厚さを特殊なツメのようなものではさんで直接的に測定するので、外見上の体脂肪率を管理する上ではなかなか有効な方法です。
しかし、キャリパーを使用する人のサジ加減(お肉のつまみ具合)が違うと大きな誤差が出たり、内臓脂肪に関するデータが得られないという欠点があるせいか、現在はあまり見かけなくなりました。
比重法
筋肉と脂肪組織で重さが異なるという事を利用した体脂肪率測定法で、アルキメデスの原理(水中の物体は、その物体が押しのけた水の重量分だけの浮力を得て軽くなる)を応用して、水の中に息を止めて潜ったり、気密室などに入って体重を測ります。
体脂肪測定法の中では最も正確な数値が得られる方法の一つですが、ものすごく大掛かりな設備が必要なので、普通の人にはあまり縁の無いものとなってしまっています。
余談ですが、昔は恐竜の模型から体重などの推定値を計算する場合にも、このアルキメデスの原理が使われていたそうです。
二重エネルギーX線吸収法
波長の違う2種類のX線を体にあてて、組織によってそれぞれのX線の透過率に差があることを利用して体脂肪率を測定する方法です。
やはり高価な設備が必要ですが、測定制度が高く測定される人にも負担がかからないので、今後は「厳密に体脂肪率を測る」という意味での基準になっていく可能性が高いと言われています。
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