風邪と筋肉痛の関係
風邪をひくと、喉の痛みや咳、くしゃみ、鼻水などの症状の他に、関節痛や筋肉痛になったりすることがあります。
筋肉痛そのものの原因がまだ科学的に解明されていない事は「筋肉痛の原因とは」にも書きましたが、風邪の時に起こる筋肉痛は筋肉にどのような影響を与えるのでしょうか?
果たして筋力トレーニングによって起こった筋肉痛の様に筋肉が成長したり、逆にダメージを受けて弱くなってしまったりするのでしょうか?
風邪による筋肉痛のしくみ
実は風邪によって起こる筋肉痛の場合は、筋力トレーニングによって起こる筋肉痛とは違って、そのしくみが解明されています。
風邪のウイルスが体内に侵入すると、人間の免疫システム(体の外から病原体などが進入した時に、それを攻撃するしくみ)が働いて、体中に「侵入者あり!」ということを知らせるための物質が分泌されます。
そうすると人体は次にウイルスを撃退するための物質を作り出し、それが痛みや発熱の元になるのです。
なぜ、わざわざ痛みや発熱の元となる物質を作るのかというと、まずウイルスが熱に弱いというのがその理由の一つ。
つまり体温を上げる事によって、人間の体以上にウイルスがダメージを受け、死滅していくという効果を狙っているわけです。
そしてもう一つの痛みに関しては、体に痛みを感じさせ、安静にさせることで体力を温存することで、ウイルスとの戦いに専念するため考えられています。
筋肉に与える影響は?
筋肉が痛めば、それが風邪によるものであっても、筋力トレーニングによるものであっても呼び方は「筋肉痛」です。
しかし医学的に考えると、その原因にはほとんど共通点がありません。
そもそも発生するしくみが違うわけですから、風邪による筋肉痛によって筋肉が超回復したり、逆に直接的なダメージを受けて弱くなるとは考えにくいでしょう。
風邪をひいた時の対策
まず、風邪をひいて筋肉や関節に痛みが出ているような時には、たとえ熱が無くても絶対に筋力トレーニングを行うべきではありません。
風邪のウイルスや風邪による筋肉痛が直接筋肉を攻撃しなかったとしても、風邪によって体調が悪くなれば、間違いなく筋肉もマイナスの影響を受けるからです。
風邪薬や解熱剤などを飲んで一時的にスッキリしたとしてもそれは表面上だけのの話。
体内にウイルスが潜んだ状態でハードな運動をしたりすれば、数か月分の筋トレの成果を数日で無駄にするくらい酷い状態になってしまう可能性すらあるのです。
「筋肉は何日で落ちる?」にも書いたように、ちょっとくらい長めに休んでも筋肉が落ちる心配はほとんど無ありません。
体調が悪い時は「筋肉のために休む!」という気持ちで安静を保つようにしてください。
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