下腿三頭筋
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下腿部の背面側、言いかえるとふくらはぎの部分に位置しているのが、下腿三頭筋という筋肉です。
下腿三頭筋が収縮すると、下の図の様に足首の関節が伸びる力が生まれます。
大きな動きを作り出す筋肉ではありませんが、踏み込みの力や体が地面と接している部分の姿勢を制御しているので、日常生活でもスポーツでも活動する機会が極めて多いのが特長です。
いや、 むしろ立った姿勢でいるかぎり、下腿三頭筋を使わないで行える動作はほとんど無いと言えるかも知れません。
だからスポーツ選手などのアスリートは、いわゆる「子持ちししゃもの腹」のように下腿三頭筋が大きく発達していることが多いのです。
下腿三頭筋の構造
下腿三頭筋は、完全に独立した一つの筋肉ではありません。
ヒザの少し上の部分(大腿骨)からかかとまでの間に大きく伸びている腓腹筋(ひふくきん)と、すねの部分の骨と足の骨をつないでいるヒラメ筋という2つの筋肉で構成されています。
ちなみに、これらの2つの筋肉を足の骨とつないでいる部分がアキレス腱です。
下腿三頭筋が収縮すると、かかとの骨が上に引っ張られる事により、足首を伸ばす力が発生します。
また、 腓腹筋が収縮すると、ヒザを曲げる力も同時に発生します。
※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。
下腿三頭筋が弱いと、地面を踏み込む力も弱くなるため、陸上競技などで走ったり、格闘技などでパン利を打つ為に踏み込んだりするようなあらゆる動作で力を発揮できません。
また、テコの原理で非常に大きな力がかかる筋肉でもあるので、激しい運動を行うためにはアキレス腱も含めてしっかり鍛えておく必要があります。
そうしないと、頻繁に痙攣(いわゆる「足がつる」という現象)が起こったり、筋断裂などの障害の原因になったりします。
ファッションの世界でも「オシャレは足元から」という言葉があるくらいですから(笑)しっかりと鍛えられた下腿三頭筋は、たくましい外見をアピールする上でも不可欠な存在だと言えるでしょう。
下腿三頭筋のトレーニング種目
カーフレイズやワンレッグ・カーフレイズ、シーテッド・カーフレイズなど足首を伸ばす動作に対して負荷をかける筋力トレーニング種目で鍛える事ができます。
腓腹筋が大腿骨とつながっているため、立った姿勢(脚を伸ばした状態)で行うカーフレイズではストレッチ種目としての性質が、座った姿勢(ヒザを曲げた状態)で行うカーフレイズではコントラクト種目としての性質が強くなります。
※ストレッチ種目やコントラクト種目に関しては「3種類の筋トレ種目」をご覧ください。
補助的に使われる筋トレ種目
スクワットやランジなど、脚を鍛えるために大きな負荷がかかる種目では下腿三頭筋がバランスを保つために働くことになります。
ランニングや長時間のウォーキングでも疲労することになるので、知らず知らずのうちにオーバートレーニングにならないよう注意してください。
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