肥満化体質になる危険な方法

太りにくい、太りやすいという体質については生まれつきの要素、つまり遺伝子だけでなく、その人の行動・習慣が大きく影響しています。

そして、体重の増やし方やダイエットの方法によっては、元々太りにくい体質の人が太りやすくなったり、太りやすい体質の人がさらに太りやすい肥満化体質になってしまうこともあるので要注意です。

体は肥満を記憶する

人間の体には体型が変化したときに、元に戻ろうとする性質があります。

このため、ダイエットによって痩せることができても、食事を元に戻すと一気に体重が増えるというようなことが起こります。

これがいわゆるリバウンドです。

だから当研究所では、ダイエットで目標の体重・体型になった後は、「気を抜かずにしばらく体を維持することに専念してください」と呼びかけているわけです。

そしてこの体重の変化と太りやすさの関係について、重要なデータがあります。
引用元は2010年にスウェーデンの大学で行われた実験(英語記事)です。

この実験では18人の被験者に4週間、運動を控えてファーストフード中心の高カロリー食事をしてもらいました。

4週間後、体重の増加は平均して6.4kg。

短期間で一気に太ったわけですが、この時の体組成をDXA法という方法で測定したところ、脂肪と筋肉の両方が増えていることがわかりました。

そして6ヶ月後、元の生活に戻ったことで、被験者たちの体重はほぼ元に戻った(+0.5kg程度)のですが・・・

12ヶ月後には、1.5kg体重が増えていました(平均値)。
しかも、その1.5kgのうち1.4kgが脂肪だったのです。

激太りと体重・体組成の関係

さらに2年半後の測定では、スタート時と比べて3.1kg体重が増えていました。

ちなみに、比較対象として太るための生活をしなかった人達も調査されましたが、この人達の体重は増えていなかったそうです。

実験の結果から見えること

この実験からは、大きく2つのことがわかります。

食事だけを減らしてダイエットすると、脂肪だけ残る

たくさん食べることで体重を増やした人達は、筋肉と脂肪の両方が増えました。

残念ながら割合についての細かいデータがありませんが、
消費<摂取
となると、脂肪だけでなく筋肉も増えやすくなるということでしょう。

しかし、一年後の測定ではほぼ脂肪だけが残っています。

これはつまり、食事制限だけのダイエットは筋肉だけが減るという結果になり、「少し食べただけで太る」という肥満化体質につながるのだと考えられます。

一度太った影響は長く続く

実験では、食事の量を増やしたのは4週間だけ。
その後半年で、ほぼ体重もスタート時に戻っています。

しかし、1年後、2年半後の調査では、一度太った経験のある人は、そうでない人に比べて脂肪が増えていました。

これは、たとえ短期間でも一度太ると、数年間は肥満化体質がなかなか消えないということでしょう。

この結果から考えと、
「来年からダイエットを始めるから今は太っててもいいか。」
とか、
「とりあえず筋肉を付けるためにとにかく体重を増やそう!」
という考え方は危険です。

一時的にでも脂肪を増やしすぎると、体脂肪を溜め込みやすい体質になってしまう可能性が高い。

筋トレやダイエットの計画を立てる時は、その点に気を付けておくべきだと思います。

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