基礎代謝をちゃんと測るには

基礎代謝量というのは、特にダイエットをしている人にとっては重要なキーワードです。

なぜなら基礎代謝が高ければ、何もしなくても消費するカロリーが大きくなり、その分だけ太りにくくなるからです。

筋トレなどの運動には、この基礎代謝を上げる効果があるから、みんな頑張って体を鍛えています。

で、この基礎代謝(量)、最近は体重計などでも簡単に測れたりしますが・・・

はたして家庭用の体重計で測る基礎代謝量は参考になるのでしょうか?

基礎代謝量の測定原理

基礎代謝量というのは、人間を出入りする物質の量のことです。

そして物質の出入りにはエネルギーが使われるので、カロリーに換算することができるというわけです。

体を出入りする物質の量なんて、体重を測っただけでは分かりませんよね?

じゃあ、どうやって測るのかというと、一般的には大きく二つの方法があります。

密閉施設を使う方法

一つは、ヒューマンカロリメーターという大掛かりな設備を使う方法です。

密閉施設を使う基礎代謝測定法

この方法では密閉された空間の中で何日か生活して、その間に消費された酸素や、吐き出された二酸化炭素などから、一日あたりの代謝量を測ります。

特殊な水を使う方法

もうひとつは、「アイソトープ」という物質を使う方法です。

特殊な水を使う基礎代謝測定法

簡単に言うと分子に特殊な「しるし」をつけた水を飲み、それが体からどれくらいの期間で排出されるかを測定することにより、物質の出入りを測るわけです。

根拠としている数値は?

ここまでで紹介した二つの方法は、どちらもかなり専門的な設備が必要なのは言うまでも無いでしょう。

だから現代の科学力では、家庭用の体重計で正確に基礎代謝量を測定するのは不可能なんです。

それでは、なぜ普通の体重計で基礎代謝量を測ることができるのか?

それは、体重や身長、年齢や体脂肪率などの値からざっくりと数値を出しているからだと考えられます。

体が大きければ、細胞の数が多いから当然基礎代謝も増える。
だから、身長と体重が分かれば、ごく大ざっぱな数値は計算で分かります。

それに対して、体脂肪率が低いほど筋肉が大きいということになるので、体脂肪率が低いときは数値を上げて、脂肪が多ければ下げる。

さらに、年齢による変化でちょっと修正する。

ほぼ間違いなく、これに近い方法で計算していると思われます。
(調べた限りでは、メーカーは計算方法を公表していません。)

家庭用機器の基礎代謝量はあてにならない

そもそも身長や体重から計算する標準的な基礎代謝量は、正確とは言えない大ざっぱな値、つまり概算値です。

そして体脂肪率もかなりアバウトな概算値。

そして年令による代謝の補正をしているとしても、それも概算値。

概算値をもとに、それを概算値で補正して、さらに概算値で補正して・・・

そんな基礎代謝量の数値がホントに参考になるかというと、かなり疑わしいというのが当研究所の結論です。

ダイエットの成果を計るためのデータとしては、ほぼ使いものにならないくらいの誤差があると考えて間違いないでしょう。

あなたもそんな数値を見て
「筋トレしてるのに基礎代謝量が下がった・・・」
なんてショックを受けないように、くれぐれも気をつけてください。

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