ダイエット成功者は3人に1人?
ダイエットというのはなかなか成功しにくいもの、難しいものというイメージがあると思います。
だからこそ劇的に痩せた人がいると話題になるし、ダイエットをサポートする器具やサービスが売れたりするわけです。
ところで、以前にネットリサーチを専門とする会社が「3人に1人はダイエット成功者」という発表をしたことがあります。
はたして、これは本当なのでしょうか?
今回はこの情報が意味するものについて考えてみたいと思います。
調査の方法
まずはこの「3人に1人がダイエットに成功者」という結論の元になった調査がどうやって行われたかを確認してみましょう。
調査の対象になったのは20代から50代の男女2,152名。
健康に関するアンケートの中で、ダイエットに関する質問をしたところ、それぞれの回答の比率は次のようになったということです。
「過去にダイエットを試みたことはない」
38.4%
「過去、ダイエットを試みたことがあるが、(あまり)効果をあげられなかった」
27.5%
「過去、ダイエットを試みたことがあり、(それなりに)効果もあった」
34.2%
調査結果が意味するもの
注目すべきなのは、これはダイエットに関する経験を大ざっぱに知るための調査である(と考えられる)ということです。
そもそもダイエット経験がない人を計算に入れてパーセンテージを出しているし、「効果を上げた」というのが何を意味するかについても明確になっていません。
「試した方法はすごく効果的だったけど、すごく辛くて一週間でやめた。」
という人も「効果もあった」に入っている可能性は大いにあります。
また、「それなりに効果があった」という人を成功者に入れているのも疑問が残るところです。
本人が望む結果を得られない限り「成功」とは言えないとするなら、34.2%の人たちが全て成功者というのは間違った解釈ということになります。
ダイエット成功の定義
ダイエットをすれば、ほとんどの人が多少は痩せるものです。
でも、本当に難しいのは痩せた体を維持すること。
これは、ダイエットに挑戦した事のある人なら痛感する事実でしょう。
ほとんどの人が一時的に痩せた後にリバウンドするわけですから、それを成功者に含めてしまうとダイエットの問題を解決するためのデーターとしては無意味なものになってしまいます。
しかし、
「3人に1人がダイエットに成功者」
という字面だけを見ると、ダイエットの成功率が3割以上あるとか、又は世の中の人の3人に1人はダイエットに成功して痩せた体を手に入れたような印象を持つ人も多いはずです。
今回の情報のように、調査の方法やそれを発表する方法によっては、事実と異なったミスリード(誤解を生むような誘導)になることがよくあります。
だから情報を利用する側である私たちは、
「なぜそういう結論になったのか?」
という事について、常に確認しておく必要があるわけです。
(管理人へのご連絡は不要です)