筋トレ動作の開始位置

筋力トレーニングの質を決める要因には色々なものがあります。

例えばウェイトの重さや筋トレのフォーム、セット数や1レップにかける時間というようなものです。
筋トレの熟練者なら、これらのうちの1つが変わっただけで大きく筋トレの質が変わることを感じるでしょう。

そんな細かい要素の中でも、意外に筋トレに大きな影響を与えているものがあります。

それは動作の開始位置です。

ボトム・ポジションとトップポジション

動きを伴うあらゆる筋トレ種目には、ボトム・ポジションとトップポジションが存在します。

ベンチプレスならバーベルを押し上げて腕が伸びている状態がトップ・ポジション。
逆にバーベルを下げて胸スレスレの位置にバーが来ている時がボトム・ポジションです。

ボトム・ポジションとトップ・ポジション

スクワットなら、立ち上がった時がトップポジション。
逆にしゃがんでいる時がボトム・ポジションということになります。

そして、使う道具や方法によっては、どちらの姿勢から動作を開始するかが違うこともあります。

例えばベンチプレスをマシンなどで行う場合、マシンの種類によってはボトム・ポジションからしかスタートできない事も珍しくありません。

スクワットの場合も最初にバーベルをかけておく位置が低かったり、ダンベルなどを使って行う場合はボトムポジションかそれに近い姿勢からスタートすることになるでしょう。

理想はトップポジションから

それでは、はたしてどんな位置から動作を開始するのが理想的なのでしょうか?

結論から言うと、より大きな筋力を発揮するためには、トップ・ポジションからスタートすべきだと思います。

その理由は大きく2つです。

要素1:伸展反射

筋肉には引き伸ばされた時に縮もうとする「伸展反射」と呼ばれる性質があります。

トップポジションから動作を開始してボトムポジションに達すると、その過程で筋肉が強い負荷で引き伸ばされるため、力が発揮しやすくなると考えられます。

要素2:脳と神経の状態

持っている筋力をどれだけ引き出せるかは、脳や神経がどれだけ強く運動に集中できているか(興奮しているか)によって決まります。

トップポジションから動作を開始すると、ボトムポジションからウェイトを持ち上げる瞬間、つまり一番力が必要なタイミングまでの間に、脳や神経の活動レベルを高めることができます。

より筋トレ効果を高めるために

実際のトレーニングでも限界重量に挑戦するようなシーンでは、ほぼ必ずトップポジションからスタートするのが普通です。

筋トレ経験がある人なら、筋肉が元気な1レップ目よりも、むしろ2レップ目の方が楽に持ち上がるという経験があると思いますが、これも伸展反射や神経の状態が変わることによる影響だと考えられます。

場合によっては、設備や場所の問題でボトムポジションから動作を始めなければならない事もあるでしょう。

しかし、予算や設置場所が許すのなら、トップポジションから余裕を持って動作を開始できる設備や器具をそろえたいところです。

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