加圧シャツ、加圧インナーの効果は?
最近、「加圧インナー」「加圧シャツ」なるものが色々と発売されているようです。
これについて訪問者の方から「効果のほどはどうなんでしょう?」というご質問があったので、当研究所としての見解を示しておきたいと思います。
その正体はただの「矯正下着」
最初にはっきり言っておきたいのが、「加圧シャツ」とか「加圧インナー」という類のものは、「加圧トレーニング」とは全く何の関係もないということです。
スポーツ選手のトレーニングや医療の分野でのリハビリなどに使われている加圧トレーニングでは、腕や脚の付け根にある太い血管を圧迫することで、血流を制限するというところがポイントになってきます。
それによって、本当は大きな負荷を与えていないのに、筋肉に「キツイ!」と錯覚させ、従来にはないトレーニング効果が生まれるわけです。
研究所長は創始者の佐藤さんにもお会いし、加圧トレーニングの講習を受けてきましたが、
「ちょ、ちょっと、こんなに強く縛って大丈夫!?」
というくらい、かなり強い圧力で腕や脚の付け根を圧迫します。
これに対して加圧シャツやインナーは「伸縮性のある生地でお肉を支える」という程度のものです。
恐らく、コンセプトとして非常に近いのは、「脚をキレイに見せるストッキング」とか矯正下着のようなものでしょう。
要するに、それを身に着けている間だけ、その着圧によってお肉が支えられるということです。
衣服によって体型が保たれているだけなので、脱げば元の状態に戻るだけです。
矯正下着などを売っている業者は「着続けることで体型改善効果が」なんて言っていますが、これについては科学的根拠が無い話なので「そんな風に感じている人もいるみたい」という程度の話だと思っておくべきでしょう。
根拠のない情報にご注意
ちょっと意地悪な言い方かもしれませんが、研究所長は「加圧シャツ」や「加圧インナー」という名前の付け方自体、かなりうさんくさいと感じています。
恐らく「加圧トレーニング」が流行っていることから、特別な効果があるような期待を抱かせて売るという広告屋さんの作戦なんでしょう。
ネット上のサイトを色々検索してみましたが、販売ページに書かれている情報はかなり眉唾というか、効果を意図的に誤解させようとしているような表現がたくさんありました。
中には「筋肉の振動を抑えるので余計なエネルギー消費が減る」なんて書いてあるサイトもありましたが、もはや何を言っているのか意味不明です。
エネルギー消費が減れば、その分だけ痩せにくくなると思うんですが・・・(苦笑)。
原理から考えても、加圧シャツや加圧インナーを身に着けたからといって「日常生活がトレーニングになる」とか、「着ているだけでダイエット効果が」ということはあり得ません。
そもそも、医療器具として認められた物以外の広告にそういうことを書いているのは違法行為(薬事法違反)なので、そんな事をやっている会社から物を買う事自体避けた方がいいのではないでしょうか。
「衣類は薬事法の適用外」なんて的はずれなことを書いてあるサイトもありますが、薬事法には医療器具も含まれるので、衣服が本来持っている以外の機能がるようなことを書いたら、その時点でアウトです。
「スリムを目指せる」
なんて書いてある販売ページもありましたが、目指すだけなら効果は関係ないですからね。
目指すというのは本人の気持ちだけの問題なので、
「90歳の老人でもプロ野球の選手を目指せます!」
と言ったって、一応嘘ではないわけです(笑)。
(ほぼ100%実現しないと思いますが)
z加圧シャツ、加圧インナーのメリット
要するに、加圧シャツや加圧インナーを着ることによって得られるメリットは、あくまでも衣類としての効果だけです。
例えば、「伸縮性があるから運動している時に動きを妨げない」とか、その弾力が体型をカバーしてくれるので、「着痩せして見える」という事はあるでしょう。
普通のシャツや下着を買うのと同じ金銭感覚で比較して、それでも買う価値があると思えば、その時は購入してもいいと思います。
くれぐれも「着るだけで筋トレやダイエットの効果が増す」なんてことは期待しない方が賢明です。
(管理人へのご連絡は不要です)