なぜ、朝は筋肉がしぼんで見えるのか?

人間の体は、一日を通してその状態が変わります。

たとえば起きたばかりの時は顔がむくんでいるとか、体が動かしにくいと思った経験は誰にでもあるでしょう。

先日、ある筋トレ愛好家の人から、
「朝と夜では筋肉の見え方がかなり違うように思います。これは照明のせいだけじゃなく、日中は体を動かしているせいでしょうか?」
という質問をもらいました。

この問題について、当研究所の見解をまとめてみたいと思います。

筋肉の太さと血液量の関係

例えば腕の筋肉を追い込むような筋トレをすると、腕の筋肉がパンパンに張ってくるのが分かるでしょう。

だから筋トレ直後に鏡を見ると、筋肉が普段よりも大きく盛り上がっていて、まるで一回りマッチョになったように感じたりします。

これがいわゆる「パンプアップ」と呼ばれる現象です。

なぜ、運動中や直後に筋肉が膨らむのか?

これは、血液やリンパ液などの体液が筋肉に集中するからです。

実は、朝起きた時に後に顔がむんでいたりするのも、これと似たような原理で起こります。

ずっと横になっていた状態だと、体液が体の下の方に下がらないので、起きたばかりの時はまだ顔周りに残っているということですね。

余談ですが、人間は宇宙空間のような無重力の環境にいると、常に顔がパンパンになります(笑)。

ちなみに筋肉を使っている時に体液が筋肉に集まるのは、活発に栄養を送ったり老廃物を運び出したりするためです。

朝は筋肉が「お休み」モードになっている

では、逆に朝起きた時はどうなるでしょうか?

筋肉は夜の間の長い休養で、完全に「お休み状態」に入っています。

朝は筋肉がお休みモードになり、一時的にしぼんで見えます。

なので、筋トレをしている時とは逆に、筋肉内の体液の量は少なくなり、普段よりも細くなったように見えるのが普通なんです。

なので、朝イチで鏡に向かってポーズをとった時に、
「あれ?筋肉があまり見えないな・・・。」
と感じてもガッカリすることはありません。

起きてしばらく時間が経ったり、運動したりして筋肉に血液やリンパ液が流れ込めば、筋肉は本来の太さを取り戻すでしょう。

ちなみにボディービルダーや筋肉をウリにしているタレントさんなどは、撮影の前に軽い運動をして筋肉を動かすことで、筋肉の血流を増やしてから撮影に入ったりします。

広告などの「Before & After」の写真を撮るときにも、この体の一時的な変化が演出に使われる場合があるので、騙されないように気をつけて下さい。

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