ダイエットと睡眠時間の関係

ダイエットを成功させる上で「規則正しい生活をすることが大事」という当たり前の話については、当研究所の他の記事にもさんざん書いてきました。

しかし、一定のリズムを守って生活しているかどうかという事とは別に、もう一つ重要な問題があります。

それは、痩せるためには睡眠時間の確保が重要であるという事です。

なぜダイエットは失敗するのか?

そもそも、ダイエットはなぜ失敗しやすいのでしょうか?
それはやっぱり、人に食欲があるからでしょう。

ごくごく当たり前の話ですが、「食べる」という事が、例えばお経をひたすら書き写す「写経」のように何の楽しみも無い作業だったとしたら、制限するのは簡単で、だれでも痩せることができるはずです。

おいしいものを食べることは楽しい、逆に言えば食べないとないとストレスが溜まるからこそ、ダイエットは難しいのです。

逆に言えばストレスを上手に処理することが、ダイエット成功の秘訣と言ってもいいでしょう。

睡眠不足=肉体的ストレス

そして実は、本人が自覚している・していないに関わらず、人間の体は睡眠時間の不足をストレスとして感じます。

このとき、眠気が強くなるといったように睡眠不足を睡眠で解消する力だけが生まれればいいのですが、残念ながら事はそう単純ではありません。

人間の潜在意識はストレスが発生したときに、そのストレスの原因とは関係ない別の欲望を満たす事で心のバランスを取ろうとする性質があるからです。

睡眠不足になると肉体的ストレスによって食欲が増大する可能性があります

誰でも、嫌なことがあったときに物を乱暴に扱ったり、他人に八つ当たりしたりしてしまったことはあるでしょう。

そうすることで根本的な解決にはならないと分かっていても衝動的に行動してしまうのは、欲望を発散させる事で心を安定させようとする作用が働いているから、ということです。

だから、睡眠不足になってしまうと食欲が増して、ダイエットが失敗する確率も高くなります。

米国の研究機関『National Health and Nutrition Examination Survey』のデータ分析結果によると、睡眠時間を十分に取っている人(基準は7時間)の人と比較して、睡眠不足の人が肥満になる確率は以下のように上がるそうです。

6時間しか取っていない人:肥満確率23%アップ
5時間しか取っていない人:肥満確率50%アップ
4時間しか取っていない人:肥満確率73%アップ

睡眠不足がどれくらい食欲に結びつくかについては個人差もあると思いますが、少なくとも統計的に見て睡眠不足が肥満につながるということは間違いないでしょう。

睡眠時間を十分に確保できていない人は根性論で食欲を押えるよりも、まずはゆっくり眠れるような生活スタイルを手に入れるのが得策と言えそうです。

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