筋トレと筋肉収縮の種類

筋力トレーニングとは簡単に言えば、筋肉に対して運動による負荷を与える作業です。

しかし、筋肉が運動している状態にもいくつかの種類があって、その状態によって筋肉に与える負荷の強さや種類も違ってくるのです。

今回は、「ただ筋肉を動かす」ということから一歩踏み込んで、筋肉が運動中に力を発揮しているときの細かな状態についてまとめてみましょう。

筋肉は収縮することで力を出すもの

まず初めに確認しておきたいのは、筋肉というものは基本的に縮む事によって力を出す組織であるという事です。

力を入れて何かの作業を行う時、脳が特定の筋肉に対して「縮め!」という命令を出していて、筋肉はそれに反応して縮む事で「筋力」を発揮します。

逆に筋肉が伸びる(縮んでいた状態が元に戻る)のは脳が「縮め!」という命令をストップした時です。

つまり、筋肉は「伸びながら力を出す」ということができません。

筋肉の収縮の種類

では、筋肉が運動するとき言いがえれば収縮するときの細かい分類について確認してみましょう。

短縮性収縮(コンセントリック収縮)

アームカールを行う場合を想像してみてください。

ダンベルを手に持った状態で腕を伸ばした状態から動作をスタートして、ヒジを曲げてダンベルを持ち上げるまでの動きでは、筋肉は短縮性収縮(コンセントリック収縮)という運動をしています。

筋肉が縮みながら力を発揮するとき 短縮性収縮(コンセントリック収縮)

このときはヒジの関節を曲げならがら、つまり筋肉(上腕二頭筋)は縮みながら力を発揮している事になります。

筋肉はただダンベルを支えているだけでなく、重力に逆らって重いものを上に向かって動かしているので、かなり大きな筋力が必要になります。

また、この種類の筋肉の運動はポジティブ・エクササイズなどと呼ばれる事もあります。

伸張性収縮(エキセントリック収縮)

次に、持ち上げたダンベルを下ろしていく動作です。

ストン!と重力にまかせて腕を伸ばしてしまえば力は必要ありませんが、ゆっくりとダンベルを下ろしていく場合は筋肉に力を入れ続ける必要があります。

このときは、筋肉は伸びながら力を発揮していることになります。

筋肉が伸びながら力を発揮するとき 伸張性収縮(エキセントリック収縮)

ダンベルを重力の方向に逆らわずに動かしているわけですから、短縮性収縮の時と比較するとかなり楽に行うことができるでしょう。

この種類の筋肉の運動はネガティブ・エクササイズと呼ばれる事があります。

等尺性収縮(アイソメトリック収縮)

最後に、やはりアームカールの動作でダンベルを持ったままヒジを直角な状態に曲げて固定した場合です。

このとき、筋肉は長さを変えずに力を発揮していることになります。

筋肉が伸び縮みせずに力を発揮するとき 等尺性収縮(アイソメトリック収縮)

ダンベルを持ち上げていく短縮性収縮の時に比べれば動作は楽ですが、ダンベルを下ろしていく伸張性収縮の時よりは筋力を出す必要があるでしょう。(ただし長時間行うとすごくツライですが^^;)

普通のトレーニング種目ではこの状態になる時間はほとんどありませんが、アイソメトリクス・トレーニングではこの動作が中心になります。

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