筋トレとスティッキングポイント

筋力トレーニングを行っていると、色々な種目で
「ここからが上がらない!」
というポイント(姿勢)があると思います。

例えばアームカールなどの動作で、腕を伸ばしてダンベルを下ろした状態から腕を曲げて行くとき、なぜか肘の角度が直角に近くなるちょっと手前でダンベルが持ち上げにくくなってしまったりする・・・というような事が起るわけです。

この「ウェイトが動かなくなる姿勢」を筋トレ用語で「スティッキング・ポイント」と呼ばれています。

筋トレ動作の中で動作が止まりやすい場所をスティッキング・ポイントと呼びます

スティッキングポイントとは

なぜか動きが止まってしまいやすい体勢=スティッキングポイント(直訳する「立ち往生する点」)がなぜ存在するかについては、次の二つの要因が考えられます。

重力と負荷の大きさの関係

筋力トレーニングで体にかかるトレーニング負荷は、動作全体を通して一定ではありません。

「筋トレ種目と負荷のかかり方」にも書きましたが、例えばダンベルの場合は重力とは逆方向(真上)にダンベルを動かそうとしている状態で一番負荷が大きく、逆に斜め上などに向かって動かしている状態ではやや弱くなるのです。

これによって、最も負荷がかかりやすい姿勢、言い換えれば「一番キツイ体勢」とその付近にスティッキング・ポイントが発生することになります。

人体の構造上の問題

人間が筋肉を発揮するときは、外から見ると単純な動作に見えても、体内では色々な関節と筋肉が連携して複雑な動きをしています。

そのため、負荷の方向とは関係なく、人体の構造の上で「力の発揮しにくい姿勢」があるということです。

ただし、筋肉は関節の角度や方向によって収縮する筋繊維が微妙に異なるため、筋肉のつき方や普段のトレーニング内容によってスティッキングポイントの位置に個人差が出てくる可能性もあります。

スティッキング・ポイントを克服する方法

スティッキング・ポイントを完全に無くすことは出来ませんが、トレーニングの内容を調節することで「いつも同じ姿勢で止まってしまって筋肉を追い込めない!」という事は無くなるはずです。

負荷のかかる角度を変える

同じ筋肉を鍛える他の筋トレ種目をメニューの中に入れることで、種目ごとにスティッキング・ポイントを変えるという事が可能です。

例えば1セット目はダンベルを使い、2セット目はゴムチューブやトレーニングマシンを使ったりすることで、セットごとにスティッキング・ポイントを分散します。

それによって、筋肉に幅広い刺激を与えることができるというわけです。

特定の角度を集中的にトレーニングする

例えばベンチプレスをしていて、バーベルを深く下ろした体勢が苦手なのであれば、普段よりやや軽いウェイトを使って「苦手な体勢」付近の動作だけを集中的に行うという方法もあります。

苦手な姿勢の集中トレーニング

これにより、その角度で筋力を発揮するための筋繊維が発達するので、弱点の克服に大きな効果が得られるでしょう。

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