筋力トレーニングと成長曲線
筋力トレーニングを熱心に行っていると、その日の調子に一喜一憂してしまうこともよくあります。
扱う重量や回数が増えた時に大いに喜んでみたり、逆にいつもよりも重量や回数が減ったりすると落ち込んでしまったりするわけです。
そんな気分の浮き沈みを少しでも小さくするために、今回は筋力トレーニングによって筋力がどのように成長していくのか?ということについて書いてみます。
成長までの道のり
筋肉に負荷をかけて、その後栄養と休養により筋肉を超回復させる・・・というサイクルを繰り返すと、理論的には筋力はトレーニングのたびに伸びていくことになります。
しかし、実際にはこの図のように右肩上がりでずっと筋力が伸びていくような事はまず無いでしょう。
持ち上げられる重量や回数は、本当に色々な要素が複雑に影響しあって決まるものだからです。
例えば、体の疲労度(筋力トレーニング以外のものも含む)や、筋肉に含まれる栄養素の量、筋肉に命令を下す脳や気持ちの状態、その日の食事の内容など、それこそキリがありません。
さらに、これらのたくさんの要素が日々、いや時間ごとに変化しています。
そして実際に筋力トレーニングを行う時には、色々な要素の合計として発揮できる筋力や持久力が決まるわけです。
これは大げさに言えば、たくさんのサイコロを一度に投げて、出た目を足して「結果」としているようなものです。(笑)
大切なのは長期的な結果
そう考えると、筋力トレーニングというのは一つ一つのサイコロを改良して、少しずつ良い目が出るようにしていく作業のようなものかもしれません。
1~6までのサイコロの目が、トレーニングを積む事によって2~7に変わったり、3~8に変わったりすれば、それだけ高い目が出る確率は上がっていくわけです。
サイコロを投げた時に出る目の合計は、投げる度に変わります。
だから、1回あたりの結果を見れば良いサイコロ(強い筋力を持った体)を使っても、小さい数字(低い重量や少ない回数)になってしまうことはあり得ます。
調子が悪い時には、筋力が成長していてもそれが実感できない場合もあるということです。
しかし、長い目で見れば確実に数字は大きくなり、成果として見えるようになってくるでしょう。
筋トレの結果は、日々変動しながら少しずつ成長するものなのです。
だから筋力トレーニングの結果を評価する場合は、一日の結果に一喜一憂してもあまり意味がありません。
例えば3ヶ月毎の平均値を比較するとか、6ヶ月前と現在の「好調の日」の結果を比較して事の方が重要だからです。
「不調の日」も一つのステップ
そしてもう一つ重要なのが、どんな素晴らしいアスリートにも「調子の悪い日」というのは必ずあり、それを避けて通ることは出来ないという事です。
もちろん長期的に不調が続くのであれば「不調による筋力低下からの復帰法」にも書いたように、原因を探っていかなくてはいけません。
それが一時的ならば、気にするだけ損するだけです。
トレーニングの調子が悪い時でも気分は最高!というのはさすがにムリかも知れません。
しかし、ベストを尽くしているのなら「今日は不調だったけど、成長のためのステップを一つ進んだんだ。」と考えるようにしてみてください。
その方が、余計なストレスを感じずに筋力トレーニングを続けて行けるのではないでしょうか。
(管理人へのご連絡は不要です)