筋トレとウェーバーの法則
人間の感覚に関する法則の一つにウェーバーの法則というものがあります。
大きな影響というほどではありませんが、一応筋トレに関係する要素ではあるので、豆知識として紹介しておきましょう。
ウェーバーの法則とは
まず「ウェーバーの法則」とは一体何ぞや?」という部分について簡単に説明しておきたいと思います。
ウェーバーの法則とは、ある一定の刺激が「変化した」と感じられるかどうかは、元の刺激の大きさと関係しているということを表したものです。
例えば100kgバーベルを持ち上げる時に、その100kgのバーベルが10g(10円玉2枚分くらい)重くなったとしても、まずその変化を感じ取ることはできないでしょう。
しかし、もともと重量の軽い紙のようなものに10円玉を一枚でも乗せたとしたら、重量の変化をハッキリ感じ取ることが出来るはずです。
このように、元の刺激の大きさによって、その刺激に変化が起こった場合の人間の感覚も、鈍くなったり敏感になったりすると考えれば分かりやすいでしょう。
※ウェーバーの法則は重さ以外にも音の大きさや臭いの強さなど色々な人間の感覚に応用できるものですが、当研究所では肉体改造に関わる部分に限定して解説しています。
種目によって扱う重さが違う
人間の体は、その部位によって筋肉の太さや関節の構造が異なるので、当然筋力トレーニングの種目によって持ち上げられる重さの「規模」が変わってきます。
例えばスクワットなら、初心者でも10kg単位の重さをかついで行なう事が珍しくありません。
しかしリストカールのように小さな筋肉を鍛える筋力トレーニング種目の場合は、よほど特別な才能の持ち主でも無い限り、一ケタの重さからトレーニングを始めるケースがほとんどでしょう。
なのに、バーベルやダンベルの重さというのはせいぜい2.5kgとか、1.25kgというようなレベルでしか調節が出来ない。
このことは、「筋力に対してちょうどいい重量を設定するのが難しい」ということ以外にも、もう一つの問題を発生させる可能性があります。
それは、筋力をどれだけ発揮できるかについては、人間の精神面が影響しているということです。
簡単に言うと「重い!」と感じると、それだけで最大筋力は(少しですが)低下する可能性があるのです。
(詳しくは「最大筋力の計算と精神面の影響」を参考にしてください。)
個人差なども影響しているとは思いますが、特に軽い重量を使って行なう筋力トレーニング種目では、急激に扱うウェイトが重くなることが精神面にマイナスの影響を与える事も考えられます。
そして、特に限界重量に近いところでは、これが大きな負担になるかもしれません。
「大ざっぱな重量調整しかできなくて、筋トレがやりにくい!」
と思ったときは、「筋トレ負荷の微調整について」に書いたような方法で重量の微調整を行なって、肉体的にも精神的にも自分自身の筋力に丁度良い負荷で筋力トレーニングを行なうようにしてみて下さい。
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