肩の筋肉を鍛える時は注意!

肩は人間の関節の中でも特に構造が複雑な部分の一つ。

運動に使われる頻度も高く、色々な方向に力を発揮するため、痛みや怪我が発生しやすい部分でもあります。

筋トレをする場合でも、鍛え方によっては怪我の原因となったり、スポーツの能力が低下することがあるので気をつけなくてはいけません。

肩の筋肉の構造

人間の肩は骨や複数の筋肉が入り組んだ構造をしています。

その中でも、一番大きく力も強いのが三角筋という筋肉です。
肩に覆いかぶさるように、まるで肩の関節が”三角巾”をかぶっているような感じですね。

肩の筋肉の構造

一般的な筋力トレーニングで「肩を鍛える」というと、主にこの三角筋を鍛えることになるわけです。

三角筋が太く・強くなると、腕を持ち上げる力が強くなり、骨と骨がガッチリ固定されるで脱臼などの障害も起こりにくくなります。

鍛え過ぎに注意?

しかし、肩の筋肉をガンガン鍛えると、筋力が強くなるというようなプラスの効果だけでなく、実はマイナスの効果も生まれます。

ここでもう一度、肩の筋肉の図を見てみてください。
三角筋は、肩の関節に上から覆いかぶさるように付いているんでしたよね?

この筋肉が大きく・太くなるとどんな問題が起こると思いますか?

その答えは・・・
筋肉がジャマになって腕を高く持ち上げにくくなる、つまり柔軟性が低下するのです。

機会があったら、マッチョな人と普通の人にだらんと力を抜いた状態になってもらって、それぞれの腕を持ち上げてみてください。

マッチョな人の腕を持ち上げる時の方が(筋肉の重さを別にしても)かなり抵抗が大きいことが分かるはずです。

三角筋が肥大すると、腕を上げるときに抵抗が生まれます

ただし誤解しないでください。
三角筋を鍛えることそのものが悪いというわけではありません。

力が強くなり衝撃にも強くなるので、多くのスポーツではプラスの効果のほうが大きいと思います。

しかし、野球のピッチングやゴルフのスイングなど、微妙なフォームや力のバランスが重要になるスポーツでは、肩を鍛えすぎると逆に能力が低下することもあるということです。

スポーツの補強運動として筋トレをする場合は、筋トレの内容が自分のスポーツに適しているかどうかをしっかり確認する必要があります。

インナーマッスルとのバランス

また、肩を覆っている三角筋が肥大するということは、肩を外側から「しめ付ける力」を強くするということになります。

これによって関節が外れる脱臼などの障害は起こりにくくなりますが、これは逆に言えば肩の関節の内部は少し「窮屈(きゅうくつ)」になるということです。

三角筋を鍛える場合は、肩の内部の筋肉(インナーマッスル)もきちんと鍛えておかないと、肩の内部の筋肉が関節の間に挟まる障害(インピンジメント症候群)にかかりやすくなるので注意しましょう。

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