関節の構造による筋力の違い

筋トレをしていると、トレーニング種目によって重いウェイトを割と簡単に扱えたり、逆に軽いウェイトなのにとてもキツかったりすることがよくあります。

これは個人差とか苦手種目・得意種目というだけの問題ではなく、誰が行っても高重量が扱いやすい種目と、逆に低重量しか扱えない種目・動作があるということです。

例えば、筋トレ上級者でも自分の体重をベンチプレスで持ち上げるのはなかなかハードですが、初心者でもカーフレイズなどの種目なら、自分の体重の2倍のウェイトをを軽々と持ち上げたりします。

一体なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?

関節の構造と筋力

人間の関節は、テコの原理で動いています。

そして、「筋肉の付着部位と筋力の関係」でも触れましたが、テコの構造の差によって、発揮できる筋力が大きく違う場合があるのです。

筋肉が骨にくっついている部分(付着部位)から、力がかかる点までの距離が遠ければ、強い力で動かすのは難しくなります。

例えば、腕を真っ直ぐ伸ばして行うサイドレイズでは、肩の筋肉がダンベルを遠くから支えなければならないので、小さなダンベルでもかなりハードな筋トレになります。

筋肉から力を加える点までが遠く、力が入りにくい

初心者ならせいぜい数kg。
場合によってはウェイト無しでもキツイかもしれません。

これに対して、カーフレイズでは、テコの支点(くるぶしの関節)から力がかかるポイント(足の指の付け根)までの距離が短いので、誰でも大きな筋力を発揮できます。

筋肉から力を加える点までが近く、力が入りやすい

もちろん個人差もありますが、初心者でも100kg以上の重さを持ち上げられることはザラです。

このように、筋トレで使われる体の部位が変わったり、フォームの違いによってテコの支点から作用点までの距離が変わることで、生み出せる筋力が大きく違ってくるわけです。

効率のいい力仕事が可能?

このように、人間の関節の構造と筋力の違いを知っておくと、余計な体力を使わずに軽々と力仕事をこなせることがけっこうあります。

例えば、机などを少しだけ持ち上げる必要がある場合、無理に腕の力で持ち上げるのではなく、シーテッド・カーフレイズの要領で下腿三頭筋の筋力を利用すれば、驚くほど簡単に持ち上げることが出来るでしょう。

下腿三頭筋の力を利用する

ダンボール箱などを持ち上げる時も、可能な限り足や膝をピッタリと箱に押し付けるようにすれば、支点である腰にかかる負荷が小さくなり、怪我の危険を減らすことが可能です。

このように、筋トレに関する知識は筋力をアップさせる以外にも役に立つのです(笑)。

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