筋肉を複数の種目で鍛える理由

筋力トレーニングでは、最低でも一種類の種目を行えば、その種目で使った筋肉を強くする効果があります。

例えば胸の筋肉を鍛えたいと思ったら、ベンチプレスだけをやっていても筋力アップは可能ということです。

しかし、ほとんどの上級者トレーニーは大胸筋ならダンベルフライとベンチプレス、広背筋なら懸垂とラットプルダウンというように、一つの筋肉に対して複数の筋トレ種目を行っています。

このように、一つの筋肉を複数の種目で鍛えることの意味について考えてみましょう。

刺激を受ける筋繊維が違う

同じ筋肉を鍛える複数の筋トレ種目をやったことをある人なら、それぞれ筋肉の疲れ方が微妙に違うことが分かるでしょう。

例えばダンベル・ローイングと懸垂(チニング)を両方行ってみれば、ツライと感じる部位や筋肉痛の出方なども違うはずです。

懸垂(チニング)とダンベル・ローイング

筋肉の付き方などによっても個人差はあるものの、ダンベル・ローイングなら背中の中心に近い部分の筋肉に効きやすいという特徴があります。

また、懸垂(チンニング)なら脇腹に近い部分が筋肉痛になりやすいというような効果の違いを実感できるでしょう。

人間の筋肉や骨格は体は色々な動きに対応できるような構造になっていて、同じ「腕を体に引き付ける」という動作でも、姿勢や力のかかる方向などによって使う筋肉の部位が微妙に変化します。

このため、
・種目Aなら筋肉の上の方が刺激されるけれど、種目Bなら下のほうが中心
・種目Cなら内側がメインで種目Dが外側
というように同じ筋肉の中でも刺激を受ける筋繊維に違いが出てくるのです。

だから同じ筋肉を鍛える場合でも、行う筋トレ種目に変化を持たせれば、筋肉にバランスの良い刺激を与えて成長を加速させ、さらに色々な動作に対応出来る「実戦的な」筋肉を育てられると考えられるわけです。

筋肉が疲労しても安全を確保できる

筋トレ種目が違えば、その運動強度や「動作の難しさ」も大きく変わる場合があります。

例えばスクワットは正確なフォームを保つのが難しく運動強度も高い筋トレ種目ですが、同じ脚を鍛える場合でもマシンで行うレッグプレスなら、脚以外の筋肉にかかる負担は少なく、フォームが崩れる心配も少ないでしょう。

 スクワットとレッグプレス

「フリーウェイト・マシン筋トレの順番」にも書いたように、このように筋肉の疲労度に応じて行う筋トレ種目を変えれば、安全かつ効果的に目的の筋肉を「追い込む」事が可能になります。

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