筋肉量・筋肉率は信用できる?

昔はその名のとおり体重を計るだけだった体重計。

今は体重だけでなく、体脂肪率などの数値が表示されるのがあたり前のようになってきています。

その中でも筋力トレーニングをしている人にとって気になるのが筋肉量、あるいは筋肉率という数値でしょう。

体重計に表示される筋肉量や筋肉率は、はたして信用できるのでしょうか?

筋肉量、筋肉率とは?

筋肉量というのはその名のとおり筋肉の量を表わすもの。
例えば全身にある筋肉を全部合わせた重さが◯◯kgという数字として表示されます。

これは割合でなく純粋な「量」なので、本来なら体が大きい人ほど大きい数字になるのが普通です。

一方筋肉率というのは百分率、いわゆるパーセントで表す数字。
こっちは割合のことなので、体格に関係なく「数字が大きいほど筋肉質」ということになります。

ただし市販の体重計では、この2つを正確に分けずに単純な区分(10段階のスコアなど)で表していることもあるようです。

筋肉量、筋肉率の測定原理

体重計に体脂肪率だけでなく筋肉量や筋肉率が表示されるようになったといっても、特殊なセンサーなどが追加されたりしたわけではありません。

少なくとも研究所長が確認した限り、筋肉量や筋肉率は体脂肪率と同じように体に微弱な電流を流すことによって測定しています。

というより、脂肪率だけを測定出来れば、筋肉の量や筋肉率は大体計算できるのです。

話を単純にするために、人体は次の3つの要素で出来ていると考えてください。
・筋肉
・脂肪
・その他の組織(骨格や内臓など)
です。

このうち、筋肉や脂肪の量は大きさは、人によって大きく違います。
ただし、その他の組織の重さは、身長などが同じなら筋肉や脂肪に比べて大きなバラツキはありません。

体重計でまず体全体の重さを量り、電気抵抗で体脂肪の量がわかる。
そして、その他の組織の重さも推測できる。

筋肉量は、簡単な計算ではじき出す事が可能です

筋肉以外の物の重さがすべて分かっているなら、体重からそれを引けば筋肉の量は分かります。
小学生の引き算しか使わない単純な話です。

つまり、筋肉率や筋肉量というのは、何も新しい技術によるものではないのです。
体脂肪率を測ったついでに表示されるオマケのようなものと考えた方がいいでしょう。

意外と大きな測定誤差

そして、電気抵抗によって測る体脂肪率というのは、状況によってかなり変動するものです。

だから、実際には明らかに筋力がアップしたり筋肉が太くなっても、筋肉量や筋肉率が低く表示されることは全く珍しくないのです。

「筋トレしてるのに、筋肉率が下がった・・・」
こんなご相談を頂くこともよくありますが、神経質になることはありません。

体重計に表示される筋肉量や筋肉率という数値には、筋力トレーニングやダイエットの効果を測定出来るほどの精度は無いというのが当研究所の見解です。

実際に体の中身がどう変化したかは、持ち上げられる重さや体のサイズを測ったほうがずっと参考になると思います。

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